インターペット『ペット大国への道』

先週4月2日インターペット、人とペットの豊かな暮らしフェアに参加してきました。

14時から『ペット大国への道』-日本のあるべき姿-というタイトルで講演会があり、

昨年と比べて大変内容が濃くパネリストの方々から具体的な問題点や解決策の提案があり意義深いセッションになっていました。パネリストは環境省、動物愛護管理室 室長 田邉様、(2月の頭に支援者の方のご好意で面談の機会を持たせていただきました。またこの講演会の後もお話する機会を頂戴しました。)(株)コジマ 代表取締役会長 小島様、山崎学園大学理事長 学長、山崎様、ペット新産業人会議代表 勝俣様(アドバイザーとしてプッチをご支援いただいています)、人と動物の関係学会 初代会長、林様でした。「ペット大国」とう言葉にパネリストの方も若干当惑気味で、皆さん今の日本には問題点が多く存在し、それを解決しないとペット大国というには程遠いのではないかというお考えでした。

また殺処分、生体販売流通に大きな問題があり業界のイメージが大変悪くなってしまっているという指摘がコジマの小島さんから何度もありました。ペット大国という言葉から経済大国ということばと比喩させれておるパネリストの方もいて戦後高度経済成長の中で私達日本人は「命を尊ぶ教育」を取り崩してきてしまったのではないかという発言があり大変共感しました。ドイツでは小学校の義務教育のカリキュラムのなかに動物を介在したアニマル アシステッド エジュケーションがあります。特に犬についてはしっかり学んでおり、そのような素地があってこそ犬が社会にしっかり受け入れられているのだと思います。公共交通機関が犬同伴で使えたり、どのお店でも一緒にはいれたり、飼主も含めた人材教育なくしてそういう社会は実現していかないという事なのだと思います。

 

また生体販売システムの変革を目標にしているプッチにとり最も印象に残ったのはコジマさんの発言でした。存知あげませんでしたがコジマさんは創業が大正5年で来年100年を迎える企業だそうです。現在日本で登録されているブリーダーは15、000件といわれています。

取引があるブリーダーの事例をだされており、データとして興味深いため詳しく記載します。

犬 100頭、うち年を取り繁殖できない犬が30頭:猫68匹 うち繁殖できない猫が18匹を飼育している。平均1頭あたりかかる医療費は年間145、420円:年に犬は2.5頭生まれ、猫は3匹生まれるので年395頭1頭が約52、740円で売れるとのことです。健康管理費、維持費が多くかかり経営がままならなくなってくるとのご指摘でした。2013年の愛護法改正後、ブリーダも終生飼養の義務がありますので頭数はどんどんふえていくはずです。とうことはいままでどうしていたのか・・?

昨年度頻発した犬遺棄事件が頭に浮かぶ方は多いのではないでしょうか?

プッチの価値観から言うと従業員の数にもよりますがトータルで168頭もの犬猫を飼育している時点でこのブリーダーは多頭飼育でパピーミルに近いと判断します。そういうブリダーとコジマさんは取引をしているという事も今回明らかになりました。店舗で多頭展示販売をしているペットショップはこのように多頭飼育という無理な経営を行うブリーダーと依然取引をしている所が多いといえます。またショップでは犬は大体1頭30万~50万、高いこは100万で売られていますのでブリーダーの取り分が少ないいと判断できます。価格設定もフェアーなものに変えていく必要があるのではないでしょうか?

しかし一方でパピーオーダーシステムをとり、多頭展示販売はせず1頭、多くて2頭の犬猫のみを

扱うペットショップもすでに都心には多く存在してきています。そのような販売形態をとれば多頭を飼育するようなブりーディングは必要なくなります。また多頭飼育のブリーダーが崩壊したり、動物虐待をひきおこし民間のボランティアがその受け皿になるといういびつな形もなくしていくことができます。

このような店舗はトリミングや預かりを兼業しており、売ったら終わりでなく終生飼主さんと一緒に犬、猫を見守っていきますというスタンスをとっています。この手法だとビジネスもうまくまわります。


私達消費者が流通のしくみをよく理解し、よい経営者を支持し、本当に命を尊びブリーディングしているプロのブリーダーを応援しプロのコンサルであるペットショップを応援することで世の中は大きく変わっていく、まさに今その過渡期なのではないでしょうか。小島さんからもペット業界全体でこの問題を真剣に考えて欲しいという提案がありました。批判することで終わるのではなく、ペット達が置かれている状況を改善する為には愛護団体、ペット業界、プッチのような生体を扱わない団体も含め皆で蛇口を締める活動の大きな1つの突破口である流通システムの変革に向け力を合わせることできないでしょうか。

最後に勝俣さんからもいま流通システムにメスをいれ、生体を扱うペットショップが変わる事が大きな鍵になるだろう発言がありました。本当にその通りだと思います。

生体販売ペットショップの変革に期待したいとおもっています。