今回はいよいよインタビューの内容をアップさせていただきます。
勢い余って沢山の質問を投げかけてしまいましたが^^;快く対応していただきました。
1、パートーナー病院様で定期的に「専門外来・しつけ相談」を担当されていらっしゃいますが、受ける相談で多いものはありますか?もし最近の傾向などがあれば教えてください。
傾向というのは特にありませんが、パートナーシップをスタートした経緯は、病気になってから病院に行くという経験自体、犬にとってネガティブな印象になりやすい為、健康な状態でも病院に足を向ける機会を増やし、病院の活性化を図りたいという獣医師の思いがあったからです。また、『地域のコミュニティ』になるというミッションを持っていらっしゃる病院もあり、現在のアライアンス体勢となっています。
この取組みのよい所は例えば噛む犬がいた場合、病気(つまり獣医学)の観点からと、しつけ(行動学)の観点から両軸で先生と一緒にディスカッションを行い、対応策を共通認識の下進められるという点です。そうすれば例えば犬に薬の内服を処方しつつ、飼主さんとの付合い方と、犬の行動修正を見直していくという両方向のアプローチが、可能になります。代官山にある GREEN DOG 内に併設する動物病院(株式会社ベックジャパン)には行動診療科の認定医がおり、特にシリアスな案件についての協業をスタートさせています。トレーナーと呼ばれる方々の『動物感覚』は鋭敏なのですが、一般の飼主様が、その『感覚』を理解・修得するのは容易ではありません、したがって、それらを言語化・データ化し、適正に共有していくことこそが重要だという考えのもと、共通認識を持つ獣医師との協業に注力しています。こういう取組みを行う事でより安全に効率よく問題行動の修正トレーニングを進めていくことに繋がると、私達は考えています。
2、日本、カナダ、アメリカ、ヨーロッパなどでDog Training Methodに違いはありますか?
そもそも文化と歴史が違います。日本では昭和48年(1973年)にワシントン条約の採択という形で動物の保護及び管理に関する法律が制定されましたが、例えばドイツの動物愛護法は18世紀に制定され改正を繰り返してきました。昔の絵画を見ているとヨーロッパなどの場合一緒に仕事をしたりと「生活」や「暮らし」の中に犬がいますよね、日本の絵画の場合犬は外にいる、「飼う」「飼育する」対称なんです。ですから日本ではまだ「飼う」ものという考え方は根強いと思います。そのような文化が素地にあるわけですから、一緒に「暮らし」「生活」することを目的にしたトレーニングと「飼う」為のトレーニングは異なってきますよね。一緒に暮らすには人間とは異種である犬の事を勉強し知らなくてはいけない。私たちDOGSHIPが目指しているトレーニングはトレーニングを通して犬という動物を知り、個体を観察出来るようになることであり、「知る」と「観る」事を鍵にしています。
3、私が最初に犬を家族に迎えた頃(30年程前)は訓練というと一定期間預ける警察犬訓練所のようなところしか探せなかったように記憶しています。今のトレンドやDOGSHIPさんが目指している事を教えてください。
訓練学校だと一定期間家族と離れ訓練が続くわけですから平澤さんの犬は良くがんばりましたね。半年は犬にとってどれだけ長かったか、そして家族として歩み寄らなくてはならない時期に離れなければならなかったのは辛かったでしょう。今の様に多種のサービスが増えてきたのはここ10年位のことではないでしょうか?弊社は現在出張のトレーニングが専門ですが、預かって訓練することで成果が出る場合もあるということを経験してきた経緯から、今後は預かりの訓練のサービスも開始する予定があります。
私達はネガティブな状況にある関係性をゼロの状況に戻す、そしてゼロからプラスに変えていく作業がトレーニングだと考えています。ですから飼主様ご自身がハッピーになれたときに本当の意味で結果が残せたと言えるんですね。私は1998年からカナダでこの仕事に就いてきましたが、そうすると2匹目を迎えた時にお客様から、数年ぶりにご連絡をいただき、今度は先回の轍を踏まぬようにとパピートレーニングからお任せいただいたりするんです。私達はこのような長期スパンでのお付き合いやコミュニケーションを大切にしています。
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