カヤ成犬譲渡の会インタビュー No.1【愛護センターからの引出とは】

 

 

先日東京都東久留米市で活動をおこなっている任意団体、【カヤ成犬譲渡の会】http://cajadog.com/  (以下カヤの会、略敬称、と呼ぶ)代表、清水さん、主要メンバーのお一人の山崎さんにお話を伺いました!もう一方、主要メンバーの田中さんは旦那様が動物病院を経営されており、急患がいらした為欠席となりました。(写真:左から田中さん、清水さん、山崎さん)

 

カヤの会は2004年にスタートしましたが、メンバーの皆さんはその前からうろついたり、行き倒れていた捨て犬を保護したり、他団体さんをお手伝いしていたりと個人でも活動をされていました、ですので20年近く保護活動に関わっていらっしゃる方々です。そんな中皆さんが出会ったのは田中さんの動物病院でした。各々主婦でらしたり、お仕事をしてらしたり、できる範囲でということでバランスをとりながら活動を継続されています。冷静で穏やかで、経験値が高く、客観的な方達というのが私のカヤの会に対するイメージになります。引取りや保護に関するきまりは厳しく設定されていますが、その他に関しては非常に寛容でらっしゃいます。主要メンバーは10名程、それに追加して登録されているフォスターボランティアさんが30名程になります。活動に関わる財源は寄付を主としておられ、会計報告も毎年行っておられます。

 

カヤの会は東京都動物愛護相談センター(以下センターと呼ぶ)から正式に譲渡団体として認可されており(現在38団体)、センターに保護され飼い主が迎えに来なかった犬達や、飼い主が自ら持込んだ犬達(2013年の動物愛護管理法改正後、飼い主の持ち込みを引き取り拒否できるようになりましたが、犬達の安全を優先すると引き取らざるを得ないのが現状です)を一時的に引き取り新しい飼い主を探す活動をしています。今回のインタビューの目的は俗に1口でくくられる愛護団体とは、どのような方々が関わり、どんな活動をされているのか、どんな種類があるのか、一般の方にわかりやすくお伝えすることです。愛護団体といっても色々な種類があることをまずは念頭においていただき、固定観念ではなく個々の団体について正しい情報を得て、それを踏まえ正しい評価をしていただければと思っています。その為丁寧に記載したいので3回ほどに分けてブログにUPさせていただきます。

 

カヤの会がこの10年間で保護譲渡した犬の数は約500頭、つまりそこには500頭の犬との出会いとそれに関わる500人以上の人達との出会いがあったということになります。

我が家にいたリリーもまさにこの500頭のうちの1頭で200511月にカヤの会さんを通じて世田谷のセンターからやってきた犬です。リリーの場合は飼い主の持ち込み処分でしたが運がよく、持込まれてすぐに清水さん達がセンターに来ていた為、1泊もせずに引き出されたケースになります。飼いきれないとの事で3,000円と引換えにセンターに引取られました。(引取り料は東京都の場合一律3,000円です)9年前ですから今とは事情が違い、最悪運が悪ければ助からない可能性もあった命でした。その後山崎さんがフォスターさんとして預かり、我が家にきました。リリーという名前をつけてくれたのも山崎さんになります。

 

この日もちょうど前の日にセンターの多摩支所から、清水さん、田中さんが2頭の犬を引き出してきたばかりでした。当日は柴犬がざっと見ても7頭ほどいたとのことです。欧米での柴犬ブームがあった影響からでしょうか?・・必ずその時の流行の犬が多くいるのが日本のセンターの特徴ですね。引き出したうちの1頭、写真右のミックスのオスのクリン君と会うことができました。2月からセンターで保護されていたとのことです。去勢手術を午前中にしたばかりで最初震えていましたが、撫でたりしていたら落ち着いてきてとても大人しく、かわいい犬でした。(性格に関しては暫くしてから判明する為まだなんとも言えません、笑)場所も移り不安で人肌恋しいようでした。 

センターからの引出しの方法について簡単にご説明します。

先程も記載した38の認可団体さんはセンターへの訪問を許可されており、保護預かりができる枠ができた段階でセンターに行きます。各団体ごとに得意とする犬種があったり、小型犬に特化しているところがあったり、MIX犬を中心にしているところがあったりと特徴があります、ですのでそれに見合った犬を選びます、もちろんセンターの獣医師さんと相談しながら決めていきますが、これはいわゆる早いもの順になります。最近はセンターで狂犬病予防注射や混合ワクチンをすでに打ってくれている場合もあるそうですが、健康チェックや避妊去勢はセンターから出しだあと各団体が行います。その後会に登録しているフォスターボランティアさん(預かりさん)の元に搬送され、心身の安定を取りもどせるようにしたり、家庭での生活に慣れさせます。(インタビューの日も田中さんは急患の手術のあとクリン君を杉並まで搬送されていました。)フォスターさんは預かり日記で犬の様子を報告し、それをみた譲渡希望の方が申し込みを行い、お見合い、2週間ほどのトライアル、正式譲渡、行政への届出、センターへの届出で完了、という流れになります。(簡潔に記載しましたが丁寧に行っていきます)

 

そう考えると引出しから譲渡完了までには1頭に対して10人からそれ以上の人が関わっているのではないでしょうか・・

犬の殺処分の問題は犬の問題と思われがちですが、本当はその1匹に責任を取ることができなかった人間の問題なんですね。だからこの10人の人は犬と同時に人を助けていることになります。以前山崎さんも「犬助けは人助け」だと思ってずっとやってきましたとおっしゃられてました。今回のインタビューを通じても殺処分は犬好きや犬を飼っている一部の人のお話ではなく社会全体の問題として考え取り組んでいく必要性を痛感しました。行政や各団体の草の根の活動も大切ですが、同時に企業、業者さん等動物を販売している人達、それを購入する消費者の協力が必要不可欠です。

 

次回は実際の保護活動ででてくる問題点や課題、会がこれから目指していくところ、

昨今の殺処分に関する社会の意識やムーブメントについてのご意見などについて記載します♪

お忙しい中お時間を作ってくださったカヤの会の皆様、ブログを読んで下さった皆様
ありがとうございます(^^)